ARCRはネジと糸で、内視鏡で腱板を引っ張ってくっつける手術なのですが、
そのネジのことをアンカーと呼びます。
これには金属製と生体吸収素材製の2つがあるのは、
ご存知でしょうか?
今回はマニアックな生体吸収アンカーと金属アンカーの違いを
まとめてみました。
生体吸収アンカーと金属アンカーの違いまとめ
生体吸収性アンカー | 金属製アンカー | |
骨質による適応 | 考慮が必要 | 悪くても打てる |
x-p | 映らない | 映る |
MRI | 映る | アーチファクト |
再OPEのしやすさ | 吸収語はもう一度、アンカーを打てる | 同じ場所には打てない |
固定性の違いと骨質による適応
金属アンカーと生体吸収アンカーは特徴によって適応が分けられています。
金属製アンカーはより強い固定性を期待する場合や、骨質の悪さを考慮された場合に使用されます。
一方、生体吸収アンカーは金属の腐食などがなく副作用が小さいメリットがあります。なのでとくに若年者に奨励されます。
また再断裂が起きた場合、金属アンカーでは再び打ち込む位置が限られますが、
再度同じ位置に打ち込むことができる利点があります。
x-pとMRIの写り方の特徴
実は金属アンカーと生体吸収アンカーで、画像の写り方が違います。
x-pだと生体吸収ネジは見えないんです。(気合を入れると痕跡なら見えます)
手術をしているDrには自明なことなのですが、
はじめてARCRのオペ禄と単純レ線をみている理学療法士の僕からすると、
オペ禄ではアンカーを5本以上使ってるはずなのに、レ線では1本しか入ってない!
なぜ???
ってなったりしてました。
コレって単純に金属アンカーしか見えていないだけなんですよね。
ちなみに金属アンカーも干渉しない素材を使用されいるので、MRIも撮影可能なのですが、
こちらでは複数のアンカーを確認できたりします。
ただし金属アンカーは小さいけど、若干アーチファクトになって歪んで変な感じ見えます。
参考文献,HP:
(監)越智光夫(編)米田 稔,スキル関節鏡下手術アトラス肩関節鏡下手術,文光堂,2010.
鈴木昌和,生体吸収性医用材料の開発,線維と工業57(2),pp69-71,2001.