小円筋の概要
小円筋は棘下筋とともに働く、肩関節の外旋筋でローテーター・カフに属します。
支配神経が三角筋と同様であり、ほとんど三角筋に覆われてしまっていることからも、三角筋の一部と考えたほうがいいのでは?と考えている研究者もいるようです。
英名のTeresはラテン語のteres 「丸い、円の」に由来するという説もありますが、形状も断面も丸くありません(笑
なのでtero「滑らかにする、磨く、脱穀する」に由来して、滑らかな表面の筋とする見かたもあります。
小円筋の詳細
和名 | 小円筋 |
英名 | Teres minor |
起始 | 肩甲骨外側縁の中央1/3 |
停止 | 上腕骨大結節の後下部、大結節稜の上部、関節包 |
作用 | 外旋、内転 |
支配神経 | 腋窩神経 C5 |
支配血管 | 肩甲回旋動脈 |
形状 | |
筋連結 | 棘上筋、棘下筋、関節包を介して大胸筋、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、上腕二頭筋、小胸筋、上腕三頭筋 |
触診 | 棘下筋と一緒に触診可能 |
触診の手順
青色:棘下筋(上部、中部、下部線維)
赤色:小円筋
緑色:三角筋の内側部縁
黒色:肩甲骨、肩峰
書き方と全体像
まず肩甲骨を書いていしまいましょう。内側縁をたどって書いて、
肩甲棘を探して肩峰まで伝っていき書いてしまいます。そこから関節窩があることを意識しながら外側縁を縁取り。
上角は僧帽筋と肩甲挙筋に覆われているので、しっかり深めにさわって探しましょう。
小円筋は下角から2横指上に上、3横指よこぐらいから起始するので基準にしながら、棘下筋とあわせて書きます。
小円筋の多くは三角筋の下に走っているので、実はあまり直接触れません。
肩甲骨の外側縁から三角筋に入るまでがとらえどころ。
大結節につくまでは棘下筋と並走します。
大結節の上端から1横指下が上端、3横指下が下端。この間に小円筋が入ります。
その上には当然、棘下筋が停止します。
正面像。前からでは回り込んだ停止部の一部しか確認できません。
小円筋は棘下筋とともに外旋筋なので、1st外旋に作用します。
でもメインは棘下筋ですよ、筋のサイズが違います。
2nd外旋も収縮すると、誘導されるのが図から分かります。
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参考文献;
監訳 山崎敦ほか,オーチスのキネシオロジー 身体運動の力学と病態力学 原著第2版,2012.
編集 鈴木重行,ID触診術,2005
編集 河上敬介,磯貝 香,骨格筋の形と触察法.2013
監修 河合良訓,肉単(ニクタン)〜語源から覚える解剖学英単語集〜.2004