Jones骨折(ジョーンズ骨折)とは血流が悪い難治性骨折

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ジョーンズ骨折って治りにくいんですよ。

ジョーンズ骨折って、サッカーの香川選手が数年前に受傷した骨折で有名になった骨折です。

一般的に骨折って血行の良い場所は癒合しやすくて、悪い場所は癒合しにくいです。

例えば、大腿骨頸部骨折は関節内骨折なので癒合しにくいので、人工骨頭を挿入します。

関節外の大腿骨転子部骨折は血流が良く、癒合しやすいのでガンマネイルで固定しておきます。骨幹部骨折も同様です。

でもジョーンズ骨折は骨幹部なのに、特殊な血管分布なので癒合が悪い特殊な難治性骨折なのです。

下の図を診て下さい。これは第5中足骨の基部骨折の血管です。

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画像引用:arbor.life.coocan.jp

右足の第5中足骨だと思って見て下さい。左側が基部で、右側は骨頭部です。

中央部分には栄養血管がほとんどないのがわかります。なんでこんな構造にしたのか神様に聞いてみたいとこですね。

ちなみに舟状骨骨折も特別に血流が悪い難治性骨折です。

こんな構造なのでジョーンズ骨折はOPEで、

しっかり圧着して免荷期間を設けないと、なかなかくっつてくれません。

勤め先ならピンと鋼線でテンションバンドワイヤリングでぐるっと固定して、

3−4週間は免荷します。

結節部剥離骨折と近位部骨幹部疲労骨折はOPE適応?

ほかの部位はというと、結節部剥離骨折のほとんどは保存療法で済みます。

ただし発症から時間が経っていて安静が保てていない場合にはこの限りではありません。

近位部骨幹部疲労骨折でしたら、保存と観血的治療法を悩みどころとDrは話してました。専門家でも微妙なとこなんですねー。

参考文献:

林典雄(編)浅野昭裕(編),改定第2版関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション下肢,pp.294,2014.