大胸筋の触診

image410

大胸筋の概要

大胸筋は起始部から名付けられた鎖骨部と、非常に大きな胸肋部分かることができます、

大胸筋全体として肩関節中間位での最大の内旋筋で、

実は水平内転にはエビデンスがなかったりします。また広背筋とともに肩関節の下制を腹部筋群と協調して行います。

部分で見ると、

大胸筋鎖骨部は三角筋前部線維とともに肩関節の屈曲に働き、大胸筋胸部線維は伸展に働きます。

ちなみに英名のpectoralis majorはラテン語のpectus「胸」から由来しています。

大胸筋の詳細

和名大胸筋
英名Pectoralis Major
起始大胸筋鎖骨部:鎖骨内側1/2

大胸筋胸肋部:胸骨および第2〜7肋軟骨前面

大胸筋筋腹部:腹直筋鞘前葉

停止上腕骨大結節稜
作用大胸筋全体:内旋、下制

鎖骨部:屈曲、内旋、下制

胸骨部:伸展、屈曲、下制御

支配神経内側、外側胸神経 C5-Th1
支配血管胸肩峰動脈、最上胸動脈、外側胸動脈、前上腕回旋動脈、内胸動脈
形状 
筋連結広頚筋、広背筋、三角筋、上腕二頭筋、小胸筋、上腕三頭筋、腹直筋、対側大胸筋鎖骨部、胸鎖乳突筋、小胸筋(肩関節方を介して)、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋
触診大胸筋の鎖骨部と胸骨部は、腋窩のの前方で個別に触診できる。

触診の手順

赤色:大胸筋

青色:三角筋

黒色:胸骨、第5肋骨、鎖骨

書き方と全体像

※男性の大胸筋画像がグーグル先生からNGをもらったので削除しています、申し訳ない

まず、鎖骨をたどってS字カーブをイメージして書きます。両方書いて、胸骨柄を書きやすくしましょう。

そのまま胸骨をなぞっていきます。

次に乳頭を目安にしながら、その下の肋骨が第5肋骨になるので書いていきます。

続いて三角筋の内縁を書いて、大胸筋鎖骨部を胸骨部と溝を探しながら書きます。

あとは今の書いた骨を指標にその周囲に大胸筋胸骨部があるので、書いていきましょう。

乳頭下のラインに腹筋方向に伸びる肋骨部の線維があるので注意して触りましょう。

 

上から。三角筋と大胸筋との間、「三角筋大胸筋三角」がはっきり分かります。

 

斜め上から。

 

大胸筋と三角筋の間隙です。この少し下をグリッと入っていくと肩甲下筋があります。

 

三角筋大胸筋三角のアップ。屍体解剖では、肩甲下筋の触診ができるとされているの場所なんですけど

今ひとつ触れてるかわかりません、、、

 

内転、伸展方向で抵抗をかけて大胸筋胸骨部を膨隆させています。

 

触診のためのオススメの本はコチラ

参考文献;

監訳 山崎敦ほか,オーチスのキネシオロジー 身体運動の力学と病態力学 原著第2版,2012.

編集 鈴木重行,ID触診術,2005

編集 河上敬介,磯貝 香,骨格筋の形と触察法.2013

監修 河合良訓,肉単(ニクタン)〜語源から覚える解剖学英単語集〜.2004