円回内筋の触診

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円回内筋の概要

円回内筋は手関節の屈筋群とともに位置して、肘関節、上橈尺関節に作用します。

作用は肘関節の屈曲と回内で、肘関節の軽度屈曲位で強く作用します。

自分で試すと良くわかりますが、肘関節最大屈曲位では、短縮位になるため効果的な前腕回内作用ができません。

また2関節筋であるため、短縮を疑うときには肘関節屈曲位と伸展位での回外を比べることで鑑別できます。伸展位での回外がより制限されれば、円回内筋の短縮が疑われます。

円回内筋の詳細

和名円回内筋
英名Pronator Teres
起始上腕骨内側上顆、内側上腕筋膜間中隔、尺骨鈎状突起
停止橈骨円回内筋粗面
作用肘関節屈曲、回内
支配神経正中神経C6-7
支配血管前尺骨反回動脈
形状 
筋連結上腕二頭筋、頭側手根屈筋、浅指屈筋
触診上腕骨内側上顆から橈骨中央部へ横断しており、前腕掌側面で触診可能

触診の手順

ピンク色:円回内筋

赤色:上腕二頭筋

緑色:上腕筋

書き方と全体像

円回内筋は、内側上顆とその2横指上に起始があって、橈骨の中央付近に停止します。

なので内側上顆を触って、2横指上まで線を書きましょう。

次に前腕中央の近位の1/3と1/2のあたりに目安となる点を書いて置いて、

内側上顆から触診しながら書いていきましょう。

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回外方向に抵抗をかけて、収縮させるとよくわかります。

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ここが内側上顆の上縁。

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円回内筋の停止部は「どこまでつながってるの?」と思うくらい長く伸びている印象でした。

イメージの倍くらいの長さがありました。

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参考文献;

監訳 山崎敦ほか,オーチスのキネシオロジー 身体運動の力学と病態力学 原著第2版,2012.

編集 鈴木重行,ID触診術,2005

編集 河上敬介,磯貝 香,骨格筋の形と触察法.2013

監修 河合良訓,肉単(ニクタン)〜語源から覚える解剖学英単語集〜.2004