急性期の激痛のヘルニアに対するポジショニングを考える

腰椎椎間板ヘルニアは画像所見と症状が一致しないことが多い疾患です。

教科書的な神経症状と照らし合わせてみても悩むこともしばしば。

オーダーが来ても、ほんとにヘルニアの影響で痛いのかなー?とついつい思ってしまいがち。

でもたまに労働を熱心にされている男性がキレイに、支配領域の感覚低下・筋力低下・激痛を訴えてこられ、

画像と臨床所見が一致することがあります。それで日常生活困難なため入院になってくることがしばしば。

このときの支配領域周辺の痛みって体験した方にきくと

「釘でさされるような痛み」や「あの痛みがくるなら死んだほうがまし」と言わせるような痛みだそうです。

いわゆる神経障害性疼痛の激痛だと思うのですが、なかなか急性期の僕ができることはわずかなことで、

せっせとホットパックを持って病室を訪れて、「時間がたてば楽になりますからね」と主治医の言葉を繰り返すくらい、、

あと工夫できるのはポジショニングでしょう。

同じ方向を向きすぎて、お尻に褥瘡できる場合もあり、楽な姿勢を機能的に考えるのは僕らの得意分野です。

今回はL3・4腰椎椎間板ヘルニアが右後方に突出から神経根障害で急激な痛みが生じた方を担当したので、

その激痛を少しでも緩和できないか?と思いポジショニングを考えてみました。

L3,4腰椎椎間板ヘルニアの神経根症状

L3,4 のヘルニアなのでL4神経根障害ですね。

基本的には大腿神経の障害なので、これを伸長して刺激をいれるような肢位が痛みが強くなります。

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つまり上の写真のような大腿神経テストの姿勢が痛いわけです。

ただし答えは患者さんの中にあるので、しっかり症状チェックです。

確認してみると、右側臥位で丸まって腕を立てて枕にして頭部挙上した姿勢が唯一楽な姿勢だそうでした。

しかしこの肢位をとりすぎて、右臀部に発赤が!

褥瘡を作るわけにはいかないので、反対側の左側臥位を向けるように工夫しました。

左側臥位をめざす

右側臥位で丸まって頭部挙上を行っているのは、大腿神経にテンションがもっともかからないようにしていると解釈しました。

まず楽なポジションはこちらでした。腕で高枕状態。

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これは右側臥位 腰椎屈曲、腰椎左側屈、頭部挙上で姿勢を強調しているので、

左側臥位もこれをと同条件になるように、

左側臥位 腰椎屈曲、左側屈(枕にて)、頭部下制で姿勢を強調

にポジショニングしました。

それがコレ。

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完璧に楽とは言えないまでも、右側臥位と同じくらいとはおっしゃっていただけました。

急性期でヘルニアでも、適応を考えれば工夫できる余地があると改めて実感。

機能的な目線を持ち続けるように心がけたいですね。