脛骨近位端骨折は高原骨折やプラトー骨折とも呼ばれます。
プラトーは英語で「高原」のことで、関節面の形を例えているとされています。荷重関節の関節内骨折であり、半月板損傷や靭帯損傷を合併しやすいため可動域制限や不安性が問題になりやすいという特徴があります。
このため観血的接合術が選択されることも多く、ACL付着部の剥離の固定や半月板縫合術などあわせて実施するケースもあります。接合術の適応は関節面の10mm~5mmの陥没転移があれば実施される傾向のようです。
ope後の固定期間は2〜3週間、靭帯損傷など軟部組織のダメージが考えられる例は4〜5週間の固定が必要な場合もあります。
荷重は骨折パターンによりますが4〜8周から部分荷重が一般的でしょうか。
脛骨近位端骨折の分類と損傷パターン
脛骨近位端骨折のHohlの分類と画像からの損傷イメージ
主にHohlの分類が用いられます。
今回はスプリット型と言われる骨折部位が分裂したタイプを2つ紹介します。骨折の形から外力の作用を考えて、どの軟部組織の損傷が合併している可能性があるかみてみましょう。
脛骨近位端骨折 内側スプリッド型
膝関節に内反する力が加わったため、外側側副靱帯など外側の南部組織の伸長ストレスと内側の骨への圧迫力が加わり骨折に至ります。
外側組織は内側よりもルーズな構造となっているため損傷を免れやすい傾向があります。
脛骨近位端骨折 外側スプリット型
先ほどとは反対に膝関節に外反する力が加わったため、内側側副靱帯など内側の南部組織の伸長ストレスと外側の骨への圧迫力が加わり骨折に至ります。内側の方が損傷を伴いやすいので注意です。
ひとこと
骨折初期は不安定テストが固定のため靭帯損傷のスペシャルテストはできませんが、画像から損傷を予想して必要であれば圧痛などで確認してみましょう。
参考文献
青木隆明(監),浅野昭裕,運動療法に役立つ単純X線像の読み方,メジカルビュー社,pp.236-238,2011.
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