2013/6/2 樋口貴広 先生「知覚認知と身体運動」

研修会の様子

2013/6/2 「知覚認知と身体運動」

講演者:樋口貴広 先生

 

 

 

 

 

 

 

6月2日は樋口先生の知覚認知と身体運動の講義でした。
心理学といえば何を思い浮かべるでしょう?私はカウンセリングでした。これは応用心理学と呼ばれる分野で、今回は「知覚」「認知」「注意」といった基礎心理学や実験心理学の分野です。

講義は人間の特徴を様々な実験結果から説明される形で進められ、いくつかは受講生に体験もさせて頂きました。1つ講義内容を抜粋します。

左半側空間無視でも左側の空間刺激が認知される場合があります。これは例えば真っ暗な部屋で左側に1点の光が点灯している場合、または全体を1つの絵として捉えているような場合です。この結果から半側空間無視のいくらかの症例では2つの刺激を同時に処理できない「デュアルタスク能力(マルチタスク能力)」が問題となっていると言えます。注意がバランス良く分配できないのです。

ここで体験です!下記はバスケットボールの動画へのリンクです。白いTシャツの3人が何回パスをしたか数えてみましょう。

バスケット動画へのリンクはこちらから

どうでしょうか?私は全然気付きませんでした(笑

問題点が分かれば対策も立ちます。環境設定や指示の入れ方、家族へのアドバイスなど多くのことが考えられます。
脳は運動や環境と相互作用して自分にとって都合の良い世界を私達に見せており、これを知ることで臨床へのヒントが沢山得られます。

講義は5時間半と長時間でしたが樋口先生には徹底的に語って頂きました。講義はとても良い雰囲気となりました。本当にありがとうございました。

また6月10日に樋口先生の新刊「運動支援の心理学:知覚・認知を活かす」が発売されました。今回の講義内容はこれに沿った内容となっております。受講された方もそうでない方も是非ご覧になって下さい。(画像にリンクが貼ってあります)