胸鎖乳突筋の触診

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胸鎖乳突筋の概要

胸鎖乳突筋は、胸骨頭と鎖骨頭の2頭で構成される、頚部の外側面を鎖骨から後頭骨方向へ走行する筋です。呼吸や飲み込みなど安静時には働きませんが、頭部の屈曲、側屈、回旋などの抵抗運動時に強く筋です。また吸気や咳などでも活動が確認されています。

また斜頸(torticollis)の原因となる筋の一部としても知られています。

胸鎖乳突筋の英名はsternocleidomastoidと長く、由来はなんですが

sterno → 胸、内側

cleido    → 閂(かんぬき 門を止める横木のこと)

mastoid → 乳房、乳首

からそれぞれ由来しているそうです。閂ってのは形状かきてるんでしょうねー。

胸鎖乳突筋の詳細

和名

 胸鎖乳突筋

英名 sternocleidomastoid
起始乳様突起の外側面と後頭骨の上項線の外側1/2ー1/3
停止胸骨柄と鎖骨の内側1/3の上面、二頭に分かれる
作用

両側同時に働くと首をすくめて顎をつきだす

支配神経副神経とC2-3(4)の腹側柄
支配血管 上甲状腺動脈、後頭動脈、肩甲上動脈、後耳介動脈
形状 
筋連結僧帽筋、大胸筋、頭板状筋
触診遠位部で触診しやすい。頭部の側屈と対側回旋にて最も収縮し触診しやすくなる

触診の手順

全体像

正面

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側面

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45度側面

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胸骨頭起始部

胸骨上縁から走行を確認しながら頭の方向にたどっていくとエッジを感じることができます。

コリコリとした腱性のものを感じます。ココは頭部を左回旋させて抵抗を加えると筋腹がモリっと浮かびます。

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鎖骨頭起始部

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2本に別れた鎖骨の起始部の反対側です。頸部軽度屈曲位で頭部を左回旋させて、抵抗を加えると少しだけ三角形の形が浮かび上がります。

この三角形は「小鎖骨上窩」と呼ばれます。ちなみに鎖骨の外側には「大鎖骨上窩」もあります。

触診は鎖骨上縁内側1/3を押し込むように触診します。

頭板状筋との筋連結

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停止部は側頭骨乳様突起から頭板状筋の筋連結まで膜状に広がりくっついています。

側頭骨乳様突起停止部

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乳様突起の背側を深くこするように触診します。

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参考文献;

監訳 山崎敦ほか,オーチスのキネシオロジー 身体運動の力学と病態力学 原著第2版,2012.

編集 鈴木重行,ID触診術,2005

編集 河上敬介,磯貝 香,骨格筋の形と触察法.2013

監修 河合良訓,肉単(ニクタン)〜語源から覚える解剖学英単語集〜.2004