焼肉の解剖学

焼肉2

今日は家族そろって久しぶりの焼肉。食べて飲んで団らんを楽しもう!

しかし箸を伸ばしながら思うのです。

「これって、どこの筋肉なんだろ?」

カルビは肋骨がついてるから肋間筋だろう、タンは舌だよな。だがロースってどこだよ。

考えはじめると、もうタン塩はノドを通りません。

ちくしょう、プロメテウス持ってくるんだった……

そんなあなたに送る、焼肉の解剖学!気になる牛肉の筋肉名をまとめました。

ロースとかヒレってどこ?

牛

ロース:最長筋

牛の背中を臀部まで走るのがロースこと最長筋。

首から肩にかけて走る胸最長筋の上のほうを「かたロース」、反対に胸最長筋の下のほうは「リブロース」と呼ばれます。すきやきや、しゃぶしゃぶでいただくとと美味しいです。

腰最長筋は「サーロイン」です。あまりの美味しさにサー(Sir)の称号を授けられたとか。食べるならステーキですよね。

 

ヒレ:腸腰筋(肉単では腰方形筋)

なにかと重要な腸腰筋、牛さんではあまり動かないらしく非常に柔らかいです。

牛の骨格をみると腰椎が後彎しており、使われにくい構造になっています。

使う際は足を振り上げてバックキックをするときぐらいだそうです。

全体の3%しかとることができなくて希少部位で、特に中央の最も肉厚な部分はシャトーブリアンと呼ばれ最高級品です。

やっぱりステーキでお召し上がりを。

 

ランプ、イチボ:大臀筋

サーロインの後ろの臀部はランプと呼ばれ大臀筋です。先っちょをイチボと呼びます。大きな赤み肉で、ユッケに使われる部分です。

 

ハラミ:横隔膜

腰椎に近いサガリという部位は肉厚で特に美味しいとか。薄い部分はスカートと呼ばれソフトカルビとしてスーパーで売っています。

 

カルビ:肋間筋

焼肉といったらこれとビールでしょ!ちなみに豚バラも肋間筋です。「バラ」って「あばら」からきています。

 

柔らかい肉と抗重力筋

sute-ki-

お肉にはやわらかい部分と硬い部分がありますよね。

あまり使われていない部分は柔らかくて焼肉やステーキに向いていて

よく使われる尻尾などは筋肉質で固くコラーゲン繊維が豊富で、ポトフとかの煮込み料理に使われます。

そして柔らかい部分代表なのがサーロインとヒレ肉です。これは普段は使うことが少なく、柔らかく育ちやすい高級部位です。

人間では抗重力筋として重要な腰部を支える腰最長筋と、前弯を作る腸腰筋が働いていないのが特徴的です。2足歩行ではないので発達していないんでしょうね。

 牛の肝臓事情

サシがたくさん入るような高級な牛さんは、ビールを飲んで高カロリー食をたべてのびのびと育ちます。横に。

特にビタミンAを与えないのがコツらしく、これは脂肪が筋肉につかないように抑制する作用があるためだそうです。

カロリーを溜め込んで人工的にメタボリックシンドロームを作ってますから、脂肪肝や腫瘍があり肝不全になってしまう場合が増えています。こうなると肝臓は廃棄するしかありません。もったいない。

幻の食材 膵臓

膵臓は食肉用にしようとしても自分の消化酵素で溶けてしまい、すぐにダメになってしまうんですね。  よっぽど新鮮なものしか食べれないのです。しかし凄くうまいらしい……流通していないのが残念です。

参考にしたHP、文献

食べる解剖学

ロース・ヒレ肉って、どの部分なの?

お肉のうんちく

霜降り肉の作り方

牛肉の部位から腰痛を考えてみた

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系

肉単