大円筋の触診

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大円筋の概要

大円筋は、肩甲骨の下角からはじまり広背筋とともに上腕三頭筋の前方を通り、腋窩の後壁を形成する筋です。筋腹は4cmも厚さがあって意外と太いのです。

肩関節伸展・内転で強く働きますが、肩関節屈曲・外転時の静止位で働くのが筋電図で証明されており、まだまだ研究の余地があるようです。

英名のTeresはラテン語のteres 「丸い、円の」に由来するという説もありますが、形状も断面も丸くありません(笑

なのでtero「滑らかにする、磨く、脱穀する」に由来して、滑らかな表面の筋とする見かたもあります。

大円筋の詳細

和名大円筋
英名Teres major
起始 肩甲骨下角の後面
停止上腕骨の小結節稜
作用肩関節の内転、伸展、内旋
支配神経肩甲下神経 (C5)C6,C7
支配血管肩甲下動脈、胸背動脈、肩甲回旋動脈
形状 
筋連結広背筋、上腕三頭筋、大菱形筋、棘下筋、小円筋
触診肩甲骨下角で容易に触診できる

触診の手順

青色:大円筋

赤色:広背筋

黒色:肩甲骨、胸腰筋膜、広背筋腱など補助線

書き方と全体像

まず腹臥位で外転位をとって、「肩甲骨を縁取りして書いてしまいましょう。

次に広背筋も似た走行をしているので、一緒に書くと走行の変化を勉強できます。詳細は広背筋の記事に譲ります。

見てもらうと分かるんですが、大円筋は下角の意外と内側から起始します。

そこから小結節稜のある腋窩まで筋腹をたどってラインを引きましょう。停止部近くは広背筋と被っていて混乱し易いので注意です。

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広背筋は書くと思っているより、結構大きい筋です。肩甲骨下角をかすめて小結節稜に向かいます。

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腹臥位から外転位の上腕骨を撮っています。青が大円筋、赤が広背筋です。

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大円筋と広背筋の一部が接触しているのが分かります。ここがあるので、書き分けるのに苦労するんですよー。

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書き方と全体像

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参考文献;

監訳 山崎敦ほか,オーチスのキネシオロジー 身体運動の力学と病態力学 原著第2版,2012.

編集 鈴木重行,ID触診術,2005

編集 河上敬介,磯貝 香,骨格筋の形と触察法.2013

監修 河合良訓,肉単(ニクタン)〜語源から覚える解剖学英単語集〜.2004