人体は生活習慣や人種、遺伝によって形違いが報告されていますけど、
大腿骨の髄腔の形状にも、バリエーションがあるのはご存知でしょうか?
人工骨頭置換術なのどの、髄内挿入が必要な手術で
どれくらいの大きさなら入るのか確認しないといけないんですが、
髄腔の形も合わせてチェックします。
Dorr(ドール)の分類がよく使われるので、ご紹介します。
Dorrの分類は3タイプに分かれている
目次
画像引用:Dorr femoral bone classification. Type A: narrow canal | Open-i
上の画像を見てもらうとわかるんですけど、
Dorrの分類はA,B,Cタイプの3型に分かれています。
Bタイプが通常タイプで、AとCが特殊な形をしています。
なのでちょっと順番を変えて紹介します。
TypeB moderate canal
タイプBは通常の髄腔です。上部の周径は広く、下になるにつれて緩やかに細くなっていきます。
この形がベターで普遍的。moderate canalは適度な髄腔の意味です。
TypeA champagne-flute canal
タイプAはシャンパンフルートとよばれ、髄腔の径が小さく、
骨幹部の髄腔になると急激に細くなるテーパードの形になっています。
PFNAのロングネイルを挿入するときなどは、リーマーを使って削りながら挿入いないと、
入らないし割れてしまう恐れがあります。
画像引用:Amazon|ロブマイヤー・アンバサダ
シャンパングラスのフルート型がこんな感じ。
クープ型とフループ型があるので区別するために、名前がついてるのかな。
TypeC stove-pipe canal
タイプCはストーブパイプと呼ばれる。大きな髄腔でストンと落ちるような太いストレートの形をしています。
幅広なので人工骨頭の収まりが悪く、
太いタイプや体重支持面を工夫された人工骨頭が挿入されます。
画像引用:ストーブパイプオーブン
で、こちらがストーブ。上のパイプがそれだと思うんですが、
ストーブパイプ状と言われれば、そう見えなくもないかな、、、、
こう言うのって最初に言ったもの勝ちなところがありますよね。
参考文献:
杉本和隆(監)他,人工関節のリハビリテーション 術前・周術期・術後のガイドブック,三輪書店,pp.17,2015.