大腿骨頚部骨折では、損傷具合によって人工骨頭置換術が選択されますけど、
いつも同じタイプが使われるわけではありません。
例えば大腿骨転子間骨折を合併している場合です。
通常は人工骨頭は主を荷重を内側骨皮質(大腿骨距)で受けて支えますが、
転子間骨折を合併して損傷している場合は、
他に支える場所を作らないといけません。
そこで珍しいタイプの人工骨頭を使うことになります。
人工骨頭の種類と特徴 大腿骨距を損傷したケースは?
ツバイミューラー(遠位固定型)型
そこでコレ。
こういった場合、ツバイミューラー型と言われる
遠位で固定して支えるステム使われます。
通常は下の画像のようなフルフィル型(近位固定)と言われるタイプが日本では多く使われています。
画像引用:人工骨頭「モデュラーネックシステム」
近位固定型と遠位固定型の違い①表面の加工
違いは表面の加工にもみられます。
セメントレスタイプは、骨と馴染みが良いように一部ザラザラとした表面に加工(グレーの部分です)されているのですけど、
近位固定型はネック近くの上部、遠位固定型は下側まで全体で固定するように加工されています。
近位固定型と遠位固定型の違い②形
あと形が随分違いますね。
近位固定型は内側骨皮質にひっかけるようになっていますけど、
遠位固定型は太く、髄腔にフィットし全体で捉える形をしています。専門的にはダブルテーパーデザインと言われます。
ダブルテーパーデザインによりFrontal viewではステムの中間位から遠位部分が骨幹部において固定され、Lateral viewでは大腿骨近位髄腔のS字カーブにおいての3点で支持されることによって優れた固定性と支持性を獲得します。
術後リハの違いは?
遠位固定型を使っているときは、
内側骨皮質が損傷した頚部骨折に使うことが多いので、
不安定なため進みが、近位型の人工骨頭よりも遅くなります。荷重時期など安静度をしっかりDr確認する必要があるでしょう。
しっかりOPE記録やレントゲンを確認して、気を配って介入しましょうね。