ご紹介するのは、「腰痛理学療法に対するEBPT」2009年に理学療法学に掲載された伊藤俊一先生の文献です。
内容は2007年の腰痛診療ガイドラインを理学療法の観点から整理されたものなのですが、
当時ガイドラインの利用状況に関するゾッとするデータが載っていたのでご紹介します。
「評価の再考」をテーマに開催された第43回日本理学療法士 全国研修会(水本善四郎大会長)に向けて,
2006年から北海道理学療法士会で独自にEBM検討委員会を立ち上げ,理学療法士の状況を検討してきた。
2007年に2604名の士会員に行っ た回収率約70%の調査結果では,
臨床場面でガイドラインを応用しているとした者は10%に満たず45%で目を通したこもないことが示された。
9年前のデータとは言え、ガイドラインの応用している人数が10%とか愕然としました。
重ねて恐ろしいことに、北海道はガイドラインを見ている人が多かった可能性があります。
なにしろ、EBM検討委員会が発足されてEBPTを普及しよう!っと、
前向きに検討しているからでた数字であって、啓蒙も他県に比べ盛んだったはず。
だとしたら他県でガイドラインの普及率を調べれば、もっと悲惨な数字だったかもしれないのです。
今は協会からガイドラインが提供されているし、
最低限確認する人は増えていると思うのですが、少し心配になりました。
どこかで現状の数字がでているのでしょうか、、、?気になります。
2011年には日本理学療法士学会が作成したガイドラインができている
ガイドラインって自分の提供している理学療法がどんな位置にいるのかを知ることができる地図みたいな役割をしてくれます。
もちろん自分の経験した範囲だけでも治療は提供できるのですが、地図をみてみると思いがけない良い物があったり、自分が迷子になっているのに気づくことがあります。
だから読むのです。
2011年に理学療法ガイドラインが16項目で作成されて、2015年にはダイジェスト版がでています。
これは「理学療法」「ガイドライン」で検索すればでてくるので、見たことない人は自分の分野だけでも是非みときましょう。
ココにリンクも貼っときますね。
参考文献:
伊藤俊一,腰痛理学療法に対するEBPT,理学療法学36(8),pp.504-507,2009.