棘下筋の触診

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棘下筋の概要

棘下筋はひとかたまりの筋として紹介されることもありますが、上部・中部・下部に分けて記載されていることもあり、今回はそちらで書いています。

また外旋作用のある筋は多いですが、なかでも棘上筋は肩の最も重要で強力な外旋筋とされています。あとは水平外転、外転にも関与しているとされています。緊張すると水平内転・内旋が制限されます。

棘下筋の詳細

和名棘下筋
英名Infraspinatus
起始 肩甲骨の棘下窩、棘下筋膜
停止上腕骨の大結節の後面の上部、肩関節包
作用肩関節の外旋、水平外転、外転、肩甲上腕関節の安定化
支配神経肩甲上神経 C5、C6
支配血管肩甲回旋動脈、肩甲上動脈
形状 
筋連結棘上筋、小円筋、三角筋、大円筋、広背筋(肩関節方を介して)、大胸筋、棘上筋、小円筋、肩甲下筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋
触診肩甲下筋の筋腹は僧帽筋に棘下窩外側と三角筋に内側が触察できる。腱は屈曲、内転、内旋で触診可能。

触診の手順

青色:棘下筋

赤色:小円筋

黒色:肩甲骨、肩峰、鎖骨

書き方と全体像

腹臥位で上からの撮影です。

肩甲骨をまず書いてしまいましょう。肩甲骨内側縁をたどって肩甲棘を探して、肩峰までつないでしまいます。

上角と外側縁は筋腹で探しにくいので注意です。

それで、下角から二横指上に目印を書きます。ここより先に棘上筋と小円筋が起始します。

ここからそれぞれ、大結節方向に筋腹をたどって書いていきます。先に小円筋を書くとやるやすいかと。

小円筋は大結節の上端から3横指〜1横指下に付着するので、目印をつけて書きましょう。

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棘上筋は上部線維、中部線維、下部線維と分かれていて折りたたまれるように棘下窩に収納されています。

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背臥位で外側から撮影です。肩峰と大結節小結節が確認できます。

大結節の1横指下に緑の印、3横指に赤色の印をつけてそこに赤色の小円筋が回り込むように付着しています。

棘下筋はその上に一部肩峰下を通って停止します。

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立位の後面からの撮影です。

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1st外旋。収縮すると外旋する方向に筋が走行しているのがわかります。

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2nd外旋、三角筋が強く収縮しています。

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参考文献;

監訳 山崎敦ほか,オーチスのキネシオロジー 身体運動の力学と病態力学 原著第2版,2012.

編集 鈴木重行,ID触診術,2005

編集 河上敬介,磯貝 香,骨格筋の形と触察法.2013

監修 河合良訓,肉単(ニクタン)〜語源から覚える解剖学英単語集〜.2004